「トオルはしっとりと濡れた繁みの中に顔をうずめると、小指の先ほどに赤く充血したクリトリスを舌先に包んで優しく吸い上げた…」。ポルノ小説の原稿を地下鉄の中で読みながら、安藤千草は思わず「ああっ」とあえぎ声を出してしまった。千草は「週刊トパーズ」の編集部員、読んでいた原稿は担当しているポルノ小説作家・麻生みどりがFAXしてきたものだ。ふたりは編集者と作家の関係以上の付き合いをしていた。というのも、千草はみどりの情事のために、週に一度自分の部屋を貸していたのだ。ある日、千草は取材で新進オブジェ作家に成長した元恋人の茂に再会する。やがてふたりは以前と同じ様に求め合い、愛し合うが、しばらくして千草はショッキングな事実を知る。なんと千草の部屋で、みどりが毎週情事を重ねていた相手こそ茂だったのだ…。
タグ:ドラマ
hpbn-228封面